Friday, April 13, 2007

食の大切さ

 このところ、「食」がマイブームである。

 イギリス生活も8年目に入り、嗜好もだんだんに脱日本人化してきて、肉がいっぱいの食事に抵抗が少なくなってきた。また、冬の間に、活動性が落ちるのと反比例するかのように食べる量が増えたので、胃が膨らんだ。怖くて体重など測れない。エイジングも重なり、おばさん体型まっしぐらである。このままではまずい。

 そこで、イースター休暇の旅行のあとから、食生活改善に励んでいる。まずは胃を縮ませるべく、野菜と果物を中心の食事にかえた。外食もやめて、毎日家で山盛りのサラダを食べている。ついでに、コーヒーと紅茶もやめて、ハーブ・ティーにかえてみた。

 食生活改善プロジェクト4日目の朝。寝起きがものすごくいいことに気がついた。目覚ましが鳴る前に目が覚めて、そのまますっとベッドから出られる。こんなのは何年ぶりだろう。

 人口の20%強が肥満のイギリスであるが、その一方で、食に関心のある人も多い。両極端なのである。後者の中では、宗教的な理由なしに、魚は食べるが肉は食べないフィッシュタリアンや、肉も魚も食べないヴェジタリアンがたくさんいる。有機栽培(オーガニック)の食材も人気が高く、オーガニック・ショップはどこも大人気で、新しいショップがあちこちに開店している。本屋には、「体にいい」食に関する本があふれている。

 数年前には、炭水化物を減らしてタンパク質をたくさん取るという、アトキンス式ダイエットが流行した。最近の「体にいい食事」のトレンドは、野菜と果物である。これらをたくさん食べて、適度な量のタンパク質(肉や魚、チーズ)とナッツを組み合わせ、炭水化物は、精製されていないものを少量に抑えるというのが理想らしい。

 日本では、基本9品目をバランスよく食べるとか、1日30品目を食べるなどが推奨されている。果物は単糖類のため、あまりたくさん摂らないほうがいいとされている。この違いは、日本とイギリスの食生活の違いだけでなく、体質のためでもあるのだろう。

 イギリスに住んでいて、日本式を完全に貫くのは現実的には無理である。郷に入っては郷に従えなので、「Food Doctor Diet Club」という本を買ってみた。10人の肥満の人が4週間、Food DoctorことIan Marberの作ったレシピに従って、ダイエットするのである。4週間分のレシピと、1週間ごとのそれぞれの体験談が載っている。ちなみに、体験談はまったく役に立たない。なにしろ10人の体重は76kgから139kgである。次元が違う。レシピの一部は役に立ちそうではあるが、レシピどおりの量で食べていたら、私の体重はかえって増えるかもしれない。

 このマイブーム、ブームで終わらせず、定着させたい。両親と暮らしていた頃、スーパー主婦の母は、食事もおやつも手作りがほとんであった。また、常々、適当な量、適当な組み合わせの食について語ってくれた。(彼女がスーパー主婦だったため、私の家事能力を向上させる機会が奪われたというのが、いつもの言い訳である。)私に必要な「普通の食事」は、私の体にしみ込んでいるはずである。これを多少イギリス式にアレンジし、私なりの「いい食べかた」を続けることができて、結果としておばさんへの進化を遅らせることができれば、言うことなしである。

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