Monday, May 04, 2009

法的に正しい働きかた

 海の向こうでは、医師と労働基準法をめぐっていろいろとあるようだ。 一連の報道の中で「医師が法的に正しく働いた場合」という議員だか誰かの発言を見て、なんとなくつぼにはまってしまった。

 みんながゴールデンウィークで、高速を使って遊びに行っている間も、日本のお医者さんたちは身を粉にして働いているのだろうか。

 海のこちら側で私は、3月末から1-2週おきにLong weekendとなっているので、なんとなく休暇の合間に仕事をしているような気分になっている。

 はじまりは3月末の6連休。2008年度の年度末になっていきなり、年休を持ち越してはいけないというService Directorからのお達しがきたものだから、残っていた5日間(2007年度までは許されていた最大持ち越し日数)を使い切らなければならなくなった。この時期はかなりの人が駆け込みで年休を消化するので、どこも人が少なく、職場は閑散としている。

 新年度になって最初の週は、予定どおり4月3日に年休をとり、3日間、ブリュッセルのタンゴ・フェスティバルに出かけた。その翌週は復活祭で、 金曜から翌週の月曜までのlong weekend。そして、今日はMay Dayでお休み。5月はもう1回Bank Holidayがある(最終月曜はSpring Holiday)ため、また休みになる。

 こんなに休んでばかりいて仕事はどうなっているのだと心配される方もいるだろうが、これでもなんとかなってしまうのである。私がいない間、誰が私の代わりを果たすのかさえきちんと手配しておけば、それですむ。具体的には、コンサルタントの同僚のひとりが、私に代わって、法的に定められたコンサルタントでなければできない業務をやってくれ、一般の臨床業務は、チームの精神科医がカバーしてくれる。書類仕事だけは、残念ながら誰も代わってくれないので、時間をやりくりしてどこかで片付けなければいけない。

 よほどの緊急事態でなければ、休み中に呼ばれることはない。日本で仕事をしていた時の感覚からいうと、「超」のつくほどの緊急性がないと、呼ばれないと思う。実際、これまでに休暇中に呼び出されたことはない。

 休暇の際は、必要であれば患者さんにも留守であることは伝える。「けしからん」という反応を受けたことは、一度もない。ただ、状況に応じて言葉の使い方には気をつけているが。「holidayにいく」とは言わず、「留守にする(I will be away)」とか「休暇でいない(I will be on leave)」ということが多い。もっともこれは、私自身の気分の問題でしかないのだけれど。