指導医研修その1
今日の午前中は、コンサルタントたちの研修があった。Modernising Medical Career(MMC)による新制度での研修医の評価方法についての、指導医の研修(Training for Trainers)である。
新しい研修制度では、精神科の研修医は、ST1からST6までの6年間の一貫研修を受ける。最初の3年間は一般精神科の研修、ST4と5は精神科内での下位専門研修(司法精神科、児童精神科等)、最後の1年間はコンサルタントになるための準備期間と位置づけられている。研修は、各competency(習得必須項目とでも訳すのでしょうか)ごとに、それぞれのグレードにおける到達目標が設定されている。達成度は、Workplace-Based Assessment(WPBA、仕事現場での評価)と呼ばれる、実地試験によって評価され、到達目標を達成できなければ次のグレードに進めない。
WPBAと並行して、これまでどおり、筆記とOCSE(Objective Structured Clinical Examinations、-仮想設定による-構造的臨床能力試験)、面接によるmembership試験も、引き続きおこなわれる。
WPBAの導入の背景には、臨床能力が、アカデミックな知識や仮想的状況での試験でしか評価されておらず、実際の仕事現場での仕事ぶりや他職種スタッフとの協調性についての評価が欠けているという、現行制度に対する反省がある。
WPBAの主なツールは次の8つ。
- Directly Observed Procedural Skills for ECT (DOPS)
- Mini-Assessed Clinical Encounter(mini-ACE)
- Assessment of Clinical Expertise (ACE)
- Case-based Discussion (CbD)
- Multi-source Feedback (MSF)
- Patient Satisfaction Questionnaire (PSQ)
- Case Presentation Feedback (CP)
- Case Conference Feedback (CC)
これらの評価項目は、同僚や患者からのフォーマルな評価を除けば、研修医のスーパーヴィジョンを通して、現在でも日常的におこなわれている。WPBAは、これらをシステム化し点数評価して、研修の必須条件とする。
WPBAはすでに、初期一般研修にあたるFoundatio Trainingでは導入されており、STでは次のローテーションから導入される予定である。新制度開始を前に、各科の王立学会は、専門医研修のカリキュラムを確定するのに忙しい。王立精神科学会は、中でも準備が進んでいるほうらしい。それでも、各グレードのどの時期に、どの評価を、どのような頻度で行うかについては、まだ最終的に決まっていない。評価尺度の有用性や妥当性は、現在パイロット・プロジェクトが、10のモデル地域で進行中で、予備的解析結果がようやく出始めたところだという。新制度は、8月から始まる予定なのでは?あと4ヶ月もない。(こんなことで驚いていては、イギリスで仕事はできない!)
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