Saturday, July 07, 2007

Le Tour de France

 この週末は、さまざまなスポーツ・イベントが目白押しである。WimbledonにBritish Grand Prix、クリケットにラグビー。そして、Le Tour de France

 Le Tour de Franceの104年の歴史で初めて、ロンドンでレースが行われた。私は自転車レースはまったく興味がなかったのだが、「初めて」というところに惹かれて、Prologueと呼ばれるタイム・トライアルを見に出かけた。

 コースは、ロンドンのど真ん中に設定された。政府機関が立ち並ぶWhitehallをスタートし、Big Ben、Parliament Square、Westminster Abbey、Buckingham宮殿、Wellington Arch、Serpentine湖といった観光スポットを抜けて、The Mallで終わる7.9kmのコースである。

 私は、The MallのSt James公園側、ゴールから250m手前の巨大スクリーンの向かいでレースを観戦した。ゴール近くでは実況が行われていたが、フランス語なので、何を言っているのかまったくわからなかった。

 ものすごい混雑を予想していたのだが、あちこちに置かれた巨大スクリーンの前をのぞくとそれほどひどくなく、沿道には2-3列の人垣がある程度だった。沿道には、スポンサーの名前が書かれた柵があり、最前列の観客たちは、その柵にもたれるようにして、選手が来るのを待っている。準備のいい人たちは、アルミの脚立を持ってきていて、少し後ろに脚立を立て、その上から見物していた。

 選手の姿が遠くに見えると、みんな一斉に、柵をばんばんと叩き始める。柵を叩く音や声援が始まってから約5-6秒すると、まず先導の白バイ、そして選手が続き、そのすぐあとには、予備の自転車を数台積んだサポート・カーが走り、最後に審判車らしい車が通っていく。人気選手の場合は、カメラマンを乗せた2人乗りのバイクが選手の近くを走っている。これらの一団がほんの1-2秒で通り過ぎていき、あっという間に見えなくなる。しばらくすると、結果が英語とフランス語で聞こえてくる。次の選手が来るまで、しばらく休憩。その繰り返しが延々と続く。

 私はずっと2列目あたりで、背伸びをしながら見ていたのだが、競技時間が残り30分程度になったところで、前にいた人たちが抜けたので、ようやく最前列に出られた。

 Prologueに勝ってYellow jerseyを手にしたCancellara選手は、私が最前列にたどり着いたあとに出走した。何の予備知識もないままスクリーンを見ていたのだが、彼のコーナーリングは道路の端ぎりぎりのところを通っていくので、見ているだけで怖いほどだった。彼は、前を走る選手が通過してすぐにゴール前の直線に入ってきたので、ものすごく速いんだろうなと思った。成績が発表される。8分50秒(時速54km!)。それまでのトップ選手よりも13秒速い。歓声がわきあがった。

 実際に選手を見たのは、全部合わせてもわずかな時間だったが、なかなかおもしろい体験だった。

 Wimbledonの女子シングルスはVenus Williamsが勝って、British Grand Prixは、英国のHamiltonがPPを取った。熱い土曜日だった。

 そして今日は、ロンドン地下鉄テロ2周年の日でもあった。亡くなった方たちとその家族に心からの哀悼の意を表する。また、今も後遺症に苦しむ人たちが、少しでも生きやすくなるよう、障害を乗り越えていかれるよう、心からの祈りを捧げる。

2 comments:

Anonymous said...

nozomi 先生、こんにちは。
ボクは自転車大好きだったので、開会式を含めて3日間とも見に行きました。子連れだったのでじっくりと見ることはできませんでしたが、先生の実況中継(?)で、あの環境を思い出すことができました。ありがとうございます。
これを機に、天気がよい日には自転車はいかがですか?

Nozomi said...

私、サイクリストです。折りたたみのBromptonで通勤しています。(2006年10月26日の記事をご覧ください。)ブラック・キャブの運転手に鋭い一瞥を飛ばしながら、大胆に車線変更することもできるようになりました。