Sunday, June 24, 2007

Feminisation - 2

 女性医師の増加と、より柔軟な勤務制度を望む医師の増加は、医師の労働力・人件費の予測を困難にする。

 まず、現在の制度を維持するために必要とされる医師数の予測である。医療サービスを維持するために必要な医師の総労働時間数が決まったとしても、フル・タイムとパート・タイムの医師数の割合によって、必要な医師の実数が大きく変わる。

 次に、Flexible Training Schemeを利用する医師が増えれば、研修医が研修を終えるまでにかかる時間が長くなる。研修を終えるまでの期間は、研修医それぞれの事情によって異なり、ばらつきも多くなる。

 Job Shareといって、ひとつの研修ポストを2人の医師で半分ずつ埋めたり、パート・タイムで減った時間の分だけを担当するlocumを期間限定で雇用したりする。いずれの方法をとっても、FTSを機能させるためには、フル・タイムで研修ポストを埋める場合よりも多くの人件費が必要になる。

 また、研修を終え、コンサルタントになる資格ができても、家庭生活を優先させるためにパート・タイムのコンサルタントとして働くことや、locumで働くことを選択する医師が増えることも十分考えられる。

 さらに、キャリア・ブレイクをとった場合、再研修・再教育の時間を考えなければならない。これも、個人差が大きいため、単純に予測することはできないであろう。

 いずれにしても、feminisationがここまで進んだ以上、逆戻りすることはないだろう。女性医師がmajorityになったのだから、ばらつきがあるのが当然という条件の中で、どのようにmedical workforceを維持していくのかを考える時がきている。

 日本でも、イギリス並みのレベルに達するかどうかはともかくとしても、feminisationが進みつつある。おまけに、若い医師の仕事に対する意識は、男女を問わず、古い世代のものとは異なる。医師労働力について「真剣に」検討しないと、大変なことになるのは目に見えていると思うのだが。

6 comments:

Anonymous said...

はじめまして。2005年10月よりウェールズでリサーチャーとして働いています。もともと医者でそして何を血迷ったか卒後12年も経って日本を飛び出し、こちらで臨床医として働けるよう画策してきました。イギリスでナースとして働く方々のブログを最近読んでいましたが、ドクターのものは今日はじめて見つかったので興味深く読ませていただきました。私は日本で一般外科→基礎系→基礎+(内科っぽい)がん臨床といろいろ移り変わってきたので専門医登録はできませんで(もともとそんなシステムがあることすら知らないくらい無知でしたが)、IELTS、PLABからはじまりました。実際来てみて法律は変わるし史上最悪のタイミング・・と思ってしまいましたが、拾う神もありで、おそらくこの8月途中から(お察しのように正規のトレーニングポストではありませんが)もともと希望していたロンドンのある病院のOncology関連部門で働けることになりそうです。イギリスの医療システムのこととか、精神科のことなど面白くまた知りたかったことも書かれていてとても参考になりました。お礼まで。今後のますますのご活躍もお祈り申し上げます。mariko

Nozomi said...

marikoさま。私のブログが多少でもお役にたったようで、嬉しく思います。

たしかにキャリアを構築しようとしている医師にとっては今は最悪の時で、やる気を維持するのは大変なことと思います。でも、これまでに何度も最悪の時期を乗り越えてきた国ですので、このままでは終わらないのではないかと、希望的観測ながら、願っています。

イギリスの医師研修制度のいいところは、外部の人たちにも、狭いながらも門戸を開いているところだと思います。いったんシステムに入ってしまうと、なんとかなってしまうこともあります(私の場合がいい例です)。8月からのポストがその後につながっていくことを、心からお祈りします。

これからも、時々お立ち寄りください。

Masa said...

私のブログで2人の女医で1人分シェアの記事を書いたら神奈川県の麻酔科女医さんから神奈川県では実施されているとのこと。日本の場合、給料がそれぞれに1人分を半分だそうで雇い主は全く問題ない、むしろ戦力として期待できるから歓迎だそうですが、給料が半分はかなり女医さんもたいへんだろうと思います。
因みに私の妻も女医です。
Taichan Miamiの青い空

Nozomi said...

Job shareは、ひとつのポストの勤務時間を目一杯使うことができる上に、職務上の連続性がある程度保たれ、非常勤の医師の手配が不要であるといった理由で、雇用者側にとっては、限られた人件費を有効に使うためには悪くない方法のようです。

ロンドンでは、研修医のFlexible Training Schemeの場合は、休暇(年休および研究日)は勤務時間数に応じて減らされますが、研修費はフル・タイムの人と同額使えるそうです。ですから、50%のパート・タイムとしても、まったく収入や手当が半分になるわけではありません。

ただし、パート・タイムで働くと、実働時間は契約している勤務時間より長くなってしまうというデータを見たことがあります。

Anonymous said...

nozomiさま。コメントのお返事どうもありがとうございました。なんだか何かに守られているのだろうか!?と思ってしまうくらいこの約2年、なんとか無事に続いてきたので今後も無理のない範囲でがんばります。
日本での女医さんの行方に関しては、私自身や同級生それぞれが選んだ道を思うとき話し出したら止まらなくなりそうですが、work sharingはいい方法だなと思う、反面、男の先生たちだって本当はつらいんだろうにな・・と思うのでした。また立ち寄らせていただきます。先を行く人を知るのは励みになります!mariko
(マイアミの青い空の先生は、おそらく私の大学の先輩のような気がしましたが違うかもしれません。(友人が剣道部+学生時代平和町にいたのでご実家のお酒屋さんには時々行ってました。お世話になりました。)

Nagase said...

こんにちは。blogの記事、参考にさせていただいています。

日本の医師歯科医師薬剤師調査の登録票データから、診療科毎の年齢・性別分布を経年的におってみて、Feminisationが日本の医療供給でかなり大きな影響を既に持っていることを感じています。(3月1日付社会保険旬報に論文が掲載される予定-されているはずーです。)

このため、先にFeminisationがおきている国での医師養成・専門医養成について文献調査をしようとしたのですが、日本ではまとまった調査ができないため、来週Royal Society of Medicineの図書館をつかって1週間で調べてみようと思っています。

メールで書くような内容かも知れませんが、コメントで残させていただきます。

医師賠償責任保険について、名誉回復のための民事訴訟の費用について、コメントに書かせていただきましたが、firefoxから書いたためか、反映されていないかもしれません。


Keisuke Nagase / Kyoto University