Thursday, January 04, 2007

Sylvester

 2007年は、ドイツのケルンで迎えた。

 カウントダウンの花火があるというので、ライン川まで出かけた。

 Deutzer Brucke(Deutz橋)は車両通行止めになっていてひどく混雑するそうなので、大聖堂とDeutzer Bruckeを眺められる、ひとつ南側のSeverinsbruckeに向かった。途中、同じようにSeverinsbruckeに向かう人たちに合流した。みんな、手に手に、ビールやシャンパンと、打ち上げ花火を持っている。なんで花火を見に行く人たちが、花火を手にしているのだろうという私の疑問は、橋につくなり、すぐに解けた。年越し花火は、自分たちで演出するのだった。

 カウントダウン30分前だというのに、すでにあちこちで花火があがっている。川沿いの大きな通りも車両通行止めで、道の真ん中で花火をあげている人たちがいる。時折、橋の下であげた花火が、欄干に寄りかかって見物している私たちの顔のすぐ前をかすめ、空高くあがっていく。Deutzer Bruckeの人垣からも、花火があがっている。

 カウントダウンが近づくにつれ、花火の数はどんどん増えていく。

 そして0時。川に停泊している船が汽笛を鳴らす。その後の10分間は、ただただ、光と音の競演。だんだんと火薬のにおいが強くなり、煙で空が白茶けてくる。

 20分たっても、まだ花火は続いている。消防車とパトカーのサイレンが、あちこちから聞こえるようになった。

 そろそろピークは越えたと思い、橋を降りかけたところ、川沿いの大通りの脇にある駐車場で、なんと車が2台、派手に燃えている。その周りと橋の上からは、野次馬が燃える車を眺めており、車のすぐ近くでは、まだ花火をあげている人がいる。

 聞けば、かれこれ15分も燃えているのに、まだ消防車が来ないという。私たちも野次馬に加わった。その後の10分ほど、消防車が2台通り過ぎたが、どうやら私たちの目の前の火事に呼ばれたわけではなかったらしい。燃え始めてから30分近くもたって、ようやく消防車が到着し、消火作業が始まった。

 花火の音と光が少なくなるのとは反対に、サイレンの音はひっきりなしに聞こえるようになった。私の立っていたすぐ近くでも、川に向けた打ち上げ花火が点火直後にくるっと向きを変え、横にいた見物人に向かって飛んでいくというアクシデントがあった。ドイツ人の友人によると、Sylvesterの花火で、毎年、たくさんの事故があるそうだ。

 帰り道、障害者の施設らしき建物の前を通った。入居者とスタッフが、線香花火を大きくしたような花火を手に、道行く人たちに声をかけていた。私も大きな声で返事をする。「Frohes Neues Jahr!」

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