医療事故の原因究明と罰則
ここのところ、法律に頭を悩ませることが多い。また、事故調第三次試案に関するあちこちのブログを読んでいて、医師もlegal mind(またはlegal literacy)が必要だとつくづく感じる。ふと、イギリスの事故調と刑事訴追とはどういう風につながっているのだろうかと思い、検索してみた。
原因究明に関する制度に関しては、以前に「NHS苦情処理制度」、「失敗から学ぼう」の記事に書いている。記事を書いてから2年近く経っているが、大きな制度改訂はないので、今でもこのような流れで調査がなされているはずである。
明らかなミスによる事故と判断された場合、当事者である医師は、研修や再教育、資格停止または剥奪等の専門職業人としてのペナルティや、停職または解雇等の雇用上のペナルティを受ける。さらに、外国籍の医師で、仕事のポストと滞在資格がリンクしている場合は、国外退去というペナルティもあり得る。
それでも、医療事故で刑事責任を問われることは、Harold Shipmanなどの悪質な場合をのぞけばありえない、と思っていた。実際に、以前にも「誠実な医療行為の結果をもとに刑事告訴されることはありえない環境」と書いた。
しかし、本当にそうなのだろうかと考えてみたらよくわからなくなってきたので、調べてみることにした。(つづく)
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