Feminisation - 1
最新のBMAの調査によると、2006年にイギリスの医学部を卒業して研修を始めた医師の58%が女性であるという。medical workforceのfeminisationである。1995年の調査ですでに男女がほぼ同数になっていたようだが、その後の10年間で、女性の割合がさらに7%も増加したことになる。
数の変化もそうだが、注目すべきは、work-life balanceがより重要視されるようになってきていることであろう。この傾向は、女性医師だけでなく、男性医師にも見られる。
女性医師の5人に1人が、キャリアの大部分をパートタイムで働きたいと答えたという。これは、男性医師の5倍にのぼる。また、約半数の女性医師が、キャリアの一部分を、パートタイムで働きたいと考えている。これは男性医師の15%の3倍超である。
それ以外にも、キャリアの途中で数年間仕事から離れたい(キャリア・ブレイクをとる)と考えている医師も男女ともに結構な数にのぼる(女性80%、男性50%)。
現行の研修制度には、Flexible Training Schemeという制度がある。研修中の勤務時間を半分を限度として減らすかわりに、研修年数をその分延長する制度である(50%のパート・タイムで研修した場合、研修年数はフル・タイムの2倍になる)。この期間、フル・タイムの医師と同じ頻度でオン・コールにつく必要がある。健康上の理由でフル・タイムで働けない人、や介護の必要な家族がいる人、子育てに時間を割きたい人などが、この制度を利用している。大部分が女性医師である。
MTAS/MMCの新しい研修制度は、しかし、柔軟な研修制度がしづらい仕組みになっているらしい。Flexible Training Schemeのパート・タイム研修医をどのように制度に組み入れるのか、あまり検討されていないようである。
コンサルタントのレベルになると、パート・タイムとして働くことは珍しくない。お隣のクロイドン区では、コンサルタントの半数以上が女性で、多くがパート・タイムで働いている。
私の働いているランベス区では、約30人のコンサルタントのうち、女性は4人しかおらず、全員がフル・タイムで働いている。(ひじょうにリベラルな地区にもかかわらず、女性医師が少ない理由は、まったくの謎である。)唯一、週3日のパート・タイムで働いているのは、体の一部に運動障害がある男性医師である。
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