Wednesday, June 06, 2007

ロンドン・オリンピックのロゴ

 昨日、2012年のロンドン・オリンピックの公式ロゴが発表された。オリンピックもパラリンピックも同じロゴで、競技や場面によって、さまざまな色の組み合わせのロゴを使うそうである。(TM London 2012 Olympic and Paralympic Games )

 発表会では、オリンピック委員会の委員長のセバスチャン・コーはじめ、お偉方たちが、「(ロゴは)斬新で、オリンピック精神を象徴し、ブランドに敏感な若者たちにアピールする」と、手放しで賞賛した。

 これを見た時の私の第一印象は「へ?」だった。まったくアピールを感じないのは、私がもう若くないせいなのかしら。

 こんな風に思ったのは私だけではないらしく、発表直後からあちこちで非難轟々で、すぐに「オリンピック・ロゴを変更するための請願」のページがネット上で立ち上がり、かわりのロゴ・デザインが投稿され始めた。たとえばこのようなロゴ(copyright James Wren)。

 また、オフィシャル・ロゴを組み替えて茶化している人たちもいる。個人的には、これがお気に入りである(sorry!)(copyright Clive Davis)。

 ロゴを含めたロンドン・オリンピックのブランド作成は、Wolff Orinという大手のブランド・コンサルタント会社が請け負った。その費用は40万ポンド(約1億円!)だという。セバスチャン・コーが直々にこの会社を指名したらしい。ちなみにこの会社、携帯電話のOrangeのマーケティングを担当している。個人的には、Orangeのロゴは好きである。

 ロゴの悪評にさらに追い討ちをかけるように、発表会の際に使われた動画に使われていた点滅光で、これまでに少なくとも18人がてんかん発作を起こしたそうである。ポケモン発作のようなものである。委員会はすぐに、オフィシャル・ページの動画を中止した。委員会側は、発作の原因はロゴそのものではなく動画であると、防戦に必死である。確かにそうなのだが、Ofcom(Office of Communication)が調査に乗り出したそうで、オリンピック委員会側はあまり分が良くない。

 Bookies(賭け会社)はさっそく、オフィシャル・ロゴが取り消されるかを対象にした賭けを始めたという。

 評判の善し悪しはともかくとして、みんなが話題にしているという意味では、ブランドとしての宣伝効果はものすごいと言えないこともない。

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