Sunday, June 18, 2006

ロンドンで見るW杯

 サッカーのW杯が盛りあがっている。多国籍都市ロンドンでは、毎試合、戦っているチームのサポーターたちが、チーム・カラーを身につけて、あちらこちらで応援を繰り広げている。ロンドンには、規模の差はあれ、参加する全チームの国の出身者のコミュニティがあるに違いない。

 今日、夜8時少し前にソーホーに出かけたところ、Frith Streetが車両通行止めになっていて、なにやら騒がしい。何ごとかと思ったら、騒ぎはBar Italiaの前だった。

 Bar Italiaは、ソーホーにあるイタリアン・カフェで、ここのエスプレッソとカフェ・ラテは、おいしい。広くもない店内に大きなスクリーンがあり、セリエAの試合を放映している。店の表にも、通りに面して小さなスクリーンがある。

 今日は、カフェの前の道路いっぱいに集まった人たちが、小さなスクリーンで、イタリア語で放映されているイタリア対アメリカの試合を見ながら、応援していた。店のウェイターは、その人ごみの中をかき分けながら、パニーニを売り歩いていた。警察官が数人警護に当たっていたが、もちろん、彼らも試合を見ていた。サッカー観戦のために通行止めにするなんて、警察も懐が深い。

 家の近所にかぎってみても、オランダの試合があると、中華街とShaftesbury Avenueの間にあるパブにオレンジの服を着た人たちがあふれる。(このパブは、オランダ・パブで、なにかあるとオランダ人が集まっている。なぜかは、よく知らない。)ブラジル戦になると、Charing Cross RoadにあるBar Salsaのまわりで、ブラジル人がサンバを演奏して踊っている。

 さて、日本の場合は、ある企画会社がスポンサーを集めて、ソーホーのスポーツ・パブを貸し切って、日本の出る試合のパブリック・ヴューイングを開催している。聞いた話では、先日のオーストラリア戦の時は、約600人の日本人が集まって応援していたらしい。私も行きたいという誘惑に駆られたものの、ややへそ曲がりの私は、スポンサー付きの企画なのに、入場者から前売り5ポンド、当日8ポンドの入場料をとるというやり方が気に入らず、かわりに、日本人が多く集まる、とあるパブに行った。家の近くのパブに行ってもよかったのだが、ロンドンではどこに行ってもオーストラリア人がいるし、たぶん(オーストラリア人でなくても)オーストラリアの応援のほうが多いだろうから、ちょっと気後れしてしまったのだ。

 明日は日本対クロアチア戦。おそらく、クロアチア人はオーストラリア人ほど多くないだろうし、前回のオーストラリア戦の結果がああだったので、今回は私自身、少し気楽に試合観戦できるだろうから、近くのパブに行く予定である。

 前回のW杯の時は、時差があったせいで、早朝または午前中という、スポーツ観戦にはいまいち盛りあがらない時間に、家でテレビを見ていた。今回は、時差が1時間しかないので「まっとうな」時間に試合を見られる。また、我が家にはテレビがないため、試合をちゃんと見るためにパブに通っているというのも、なんとなく特別な気分がする理由かもしれない。

 こんな楽しいお祭り騒ぎ、毎年あればいいのに。

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