Saturday, June 10, 2006

熱波と肥満

 5月の半ばから異様に寒い日が続き、いったん奥にしまったセーターを引っ張りだしたりしていたのだが、先週末、突然夏が来た。以来、最高気温27-8度のピーカン天気が続いている。昨日と一昨日はとくに暑く、扇風機が生温い空気をかき回しているだけのオフィスで、汗をかきかき仕事をしていた。

 イギリスの天気は変わりやすく、朝天気がよく暖かくても、夕方には寒くなることが多いので(または、その逆。)、私はいつも、用心深く、温度調節ができるように重ね着することが多い。今回の熱波の始まりの頃も、コートを着て家を出て、帰りには、暑くて、コートを腕にかけて持っているのもいやになった。

 イギリス人は、その点、決断・実行が早い。なぜか、熱波第1日目から、すぱっと夏服に変わる。夏服というのは、女性の場合、半袖やノースリーブのトップに、薄手のスカート・パンツ、足下はサンダルである。男性は、上着なし、ネクタイなしのシャツ1枚に、やはりサンダルを履いている人もいる。クールビズのかけ声など、まったく必要ない。

 仕事以外の服は、もっと露出度が高くなる。女性の場合、腕、デコルテ、お腹、背中、足が、全開になる。(全部をセットで全開にする人はさすがに少なく、いくつかの組み合わせで全開にしていることが多い。)男性は、Tシャツにショーツである。

 イギリス人(白人も黒人も)の女性は、概して、縦にも横にも大きい。胸も大きく、ウエストのくびれがなく、お腹がポッコリ出ている。けっこうスリムな人でも、例外ではない。それでも彼女たちは気にしない。暑ければ薄着になり、体型にかかわらず、着たいものを着る。へそ出しルックは当たり前なので、ポッコリ出たお腹が、ジーンズのウエストの上に乗っかる(そして、時にはそこから垂れ下がる)状態になる。

 男性は、さすがにおへその出た服を着ることはないが、暑い日は、Tシャツを脱いで、平気で上半身裸で歩いている。また、Tシャツの前面が、はち切れそうにせり出している。

 人の体型や着るものにとやかく言うつもりはなく、着たいものを着るという姿勢は好ましく、いつもあっぱれだと思っているが、目のやり場に困ったり、唖然としたりすることも多い。

 いまや、イギリスは世界第2位の肥満大国である。(1位はいうまでもなく、アメリカである。)イギリス人成人の22%(5人に1人!)が肥満、4分の3がオーバーウェイトであるといわれている。

 今日も、朝から暑い。このような日に、街を歩けば、上の数字が嘘でないのは、一目瞭然である。

 この熱波、最低あと1週間続くそうである。薄着の時期は、まだ始まったばかりである。

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