Tuesday, March 07, 2006

ブログ開設にあたって

 日本を離れてもうすぐ6年になります。日本の地方の医学部を卒業し、東京で精神科医として研修をしました。精神保健指定医を取得してまもなく、臨床研究を学ぼうと思い、1年の予定で渡英したのが2000年の4月。しばらくロンドンで研究を続けた後、2004年8月にこちらのGeneral Medical Councilに精神科専門医として登録し、本年1月より、精神科コンサルタントとしてロンドン南西部で仕事を始めました。

 私の勤務する南ロンドン&モーズレー国営医療機構(South London & Maudsley NHS Trust)ランベス区には、30人超の精神科コンサルタントがいますが、私のように、自分の出身国とイギリスと両方の国での臨床経験を持つ医師は少数派です。そのせいか、しばしば、日本の一般および精神科医療システムや、精神科臨床そのものについて、イギリスとの相違点などをよく聞かれます。単なる個人的な感想でも満足してもらえることもありますが、さらに突っ込まれて、具体的なデータ等を聞かれると、普段そのようなことを意識していないので、言葉に詰まったりもします。そんなことが重なって、イギリスのシステムと比較しながら、日本のシステムを客観的に、きちんとした知識やデータに基づいて見てみる必要性を感じていました。また、日本で研修中にお世話になった方から、せっかく珍しい経験をしているのだから、イギリスでのことを書き留めておいたらどうかと勧められました。

 そんなこんなで、どうしたものかと考えた末、私の臨床の仕事を通しての経験を、ブログとして発信することにしました。他の人の目に触れることを前提とすることで、主観的になりすぎるのを防ぎ、正確に伝えようと意識するのを期待してのことです。また、三日坊主予防策でもあります。

 あまり肩肘張らず、日常の些細な発見から、イギリスの医療システムのことまで、つれづれに書きつづっていければと思ってます。よろしくお付きあいください。

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