Tuesday, December 26, 2006

おいしいクリスマス

 早いもので、クリスマスの4連休も今日で終わりである。連日、お昼頃に起き、だらだらと本を読み、ちょっと散歩して、夜はDVDを見て2時過ぎに寝るという、のんびりとした日々だった。

 今年のクリスマス、私にとって画期的だったのは、4日続けて料理したことである。料理(だけでなく、家事一般)とはあまり縁のない私にとって、これは偉業である。

 イギリス料理がまずいのは有名である。外国人が集まると必ずと言っていいほど、イギリス料理がいかにまずいかという話になる。しかし実は、イギリス人の料理への関心はひじょうに高い。両方の手でも数えきれないほどのセレブ・シェフがいて、本屋には料理の本が山ほど並び、料理関係のテレビ番組も多い。「ちゃんとした味覚がないくせに、料理番組だけは山ほどあるのはおかしな話だ」と言ったのは、料理上手な知り合いのドイツ人だった。

 そんなイギリス人。それぞれお気に入りのシェフや料理評論家がいるようで、どこのキッチンにも、かならず数冊はレシピ本が並んでいる。私の知り合いのキッチンでよく見るのは、Nigel Slaterの「Real Fast Food」や「The 30-minute Cook」である。

 Nigel Slaterは、セレブ・シェフではなくFood Writerで、Observer Magazineの料理コラムを10年以上も担当している。ベストセラーになった「Real Fast Food」や「The 30-minute Cook」には、簡単に短時間で作れるレシピが詰まっている。いわゆる「伝統的な」イギリス料理だけでなく、ハーブや香辛料を使った、地中海風、アラブ風、インド風のレシピもが多い。

 イギリス人よりさらに料理が下手で、手間をかけるのが嫌いな私は、まともなキッチンがついた今のフラットに引っ越したとき、さっそく、Nigel Slaterの本を3冊買った。(Real Fast FoodThe 30-minute CookThe Kitchen Diaries

 これが、なかなかよろしいのである。なにしろ、面倒な下ごしらえがいらない。手際が悪いので、全部が30分以内とはいかないものの、1時間はかからずに、ちゃんと食べられるものができる。

 引っ越して数ヶ月の間は、けっこうはまって、そこそこ自炊していた。そのうちに忙しさにかまけて、またもとの外食生活に逆戻りしてしまったが。

 そしてクリスマス休暇。ふと、4日ともちゃんと家で作ろうと思い立った。名付けて、「おいしいクリスマス・プロジェクト」。

 さっそく、4日分のレシピを選んだ。

  • Pork and Pears(Real Fast Foodより)
  • The 30-minute Roast Chicken(The 30-minute Cookより)
  • Grilled Lamb with Onions and Spices(The 30-minute Cookより)
  • Pork Chops with Herb Butter(The Kitchen Diariesより)
 便利なことに、イギリスのスーパー・マーケットでは、何種類かのグリーンをあわせたReady-to-Eatのサラダが手に入る。また、オーブンで10分焼くだけのバゲットもある。(イギリスのパンは信じられないほどにまずいが、焼きたてだと、まあまあ食べられる。)メインを作り、焼きたてのバゲットとサラダを並べて、立派にクリスマス・ディナーとなった。

 DVDを見ながらのデザートは、Sainsbury'sの「Taste the difference」シリーズのヨーグルト(このシリーズのバニラやルバーブはおいしい。)や、Marks & Spencerのクレーム・キャラメルとアップル・クランブル。ちゃんと選べば、イギリスでもおいしいものは食べられるものである。

 ぎっしり詰まっていた冷蔵庫も、かなり空っぽになってきた。明日からは、食べきれなかったチキンや、まだまだたくさんあるポテトなどで、残り物生活である。

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