Snus mumrik
ヨーロッパてんかん学会のため、ヘルシンキに行ってきた。
ポスター演題を出して、参加費も払ったものの、ぎりぎりまで気が乗らず、出発の10日前に飛行機とホテルを予約し、6日前になってようやく重い腰を上げてポスターを作った。
Study leave(「仕事上必要な学習」のための休暇で、年休とは別枠で、3年間で計30日の休暇が認められている。)の手配もしてあるし、Continuing Professional Development(CPD、医師としての生涯学習)のための点数も稼がなくてはならないので、行かなくてはいけないことにはかわりはないのだが、ぎりぎりにならないと手を付けないというのは、昔からの悪い癖のひとつである。
行きたくないと文句たらたらで出かけるのもいつものことながら、行ったら行ったで、懐かしい人たちに会い、知り合いが少し増え、いくつか新しいことを覚えたりして、すっかり上機嫌になり、ああ楽しかったと思いながら帰途につくというのも、いつものことであった。
学会の合間の観光も、国際学会の楽しみである。
ヘルシンキはあまり見るものもなくて、つまらない街だよと聞かされていたので、さほど期待はしておらず、ムーミン・グッズを手に入れられればいいと思っていた。(実際には、思っていたよりもずっと楽しめた。)
ムーミンは、子どもの頃の大好きな話のひとつだった。なかでもスナフキンは大のお気に入りだった。残念ながら、テーマパークのムーミン・ワールドはヘルシンキから日帰りするにはちょっと遠いところにあったので、諦めざるをえなかった。かわりに、せめて原語のムーミンの本を手に入れようと思い、本屋さんに行った。
そこで発見したこと。スナフキンの名前はスナフキンではなかった!!!
もともと、ムーミンの話は、フィンランド人のトーヴェ・ヤンソンがスウェーデン語で書き、フィンランド語をはじめとして、いろいろな国の言葉に翻訳された。スナフキンの名前はスウェーデン語で「Snus mumrik(スヌス・ムムリク)」、フィンランド語で「Nuuskamuikkunen(ヌースカムイックネン)」と言う。スナフキンは、英訳に使われた名前がそのまま日本語に転用されたそうである。(詳しくは、Wikipediaのムーミン、スナフキンを参照してください。)
スヌス・ムムリクにヌースカムイックネンね。いやあ、学会に行くといろいろと勉強になる。
英訳版のムーミン本も買ってきたので、北欧の夏の余韻を感じながら、ロンドンでムーミン・ワールドを楽しむつもりである。
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